この本、読むかAudibleで聴くか、かなり迷いました。
理由はシンプルで、タイトルからして相当キツそうだったからです。
グロ描写があると聞くし、音声で聴いたら逆に怖すぎるんじゃないか。
でも一方で、「音声だからこそハマる作品かもしれない」とも思いました。
実際にAudibleで『連続殺人鬼カエル男』を聴いてみたので、読むのとAudible、どちらが向いているかの判断材料になる程度に、正直な感想を書いてみました。

(カエルくんはこんなに可愛いのに…)
作品の概要
- 作品名:連続殺人鬼カエル男
- 著者:中山七里
- ジャンル:サイコサスペンス/社会派ミステリー
- 朗読者:藤田幹彦、前迫愛朱佳
- 再生時間:12時間29分
中山七里作品の中でも、特にインパクトが強いシリーズ第1作目です。
続編もあり、気に入ればそのままAudibleで追える構成。
再生時間は長めですが、展開が早く、区切りも分かりやすいため、
思った以上に止めどころが見つからない作品でした。
あらすじ(軽いネタバレあり)
※ここからは、物語の導入と方向性がわかる程度の軽いネタバレを含みます。
物語は、非常に猟奇的な事件から始まります。
マンションの高層階から、フックで口を引っ掛けられ、全裸で吊るされた女性の遺体。
現場には、子どもが書いたような稚拙で不気味な犯行声明文。
マスコミは、この犯人を「カエル男」と名付け、街は一気に恐怖に包まれます。
捜査にあたるのは、埼玉県警の渡瀬警部と刑事の古手川。
しかし、警察を嘲笑うかのように事件は連続して発生。
犯行声明文の意味は何なのか。
そして捜査の中で浮かび上がる、刑法第39条という大きな壁。
このあたりから、
「これはエンタメだけで終わる話じゃないな」
と感じました。
物語は単なる連続殺人から、社会や司法の歪みに踏み込んでいき、
終盤に向けて一気に加速していきます。
朗読者(ナレーター)情報
朗読は、藤田幹彦さんと前迫愛朱佳さんの2名体制。
この作品では、犯行声明文や特定人物の独白など、「声そのもの」が恐怖演出の一部になっています。
複数ナレーターという点も、この作品との相性はかなり良いと感じました。
声・朗読の感想
声の聞き取りやすさは全体的に高めです。
- 淡々とした読み
- 感情を乗せる場面とのメリハリ
- 犯行声明文の不気味さ
特に声明文は、文字で読むのと音声で聴くのとでは印象がまったく違います。
正直、耳で聴く方が何倍も怖いです。
個人的には、「声が感情を盛りすぎない」このバランスが、作品の狂気をより際立たせていると感じました。
Audible版で良かったと感じた点
まず、展開のスピード感。
次々と事件が起き、「どんでん返し」が重なる構成なので、イヤホンを外すタイミングを見失います。
また、犯行声明文の存在感はAudibleならでは。
稚拙な文章が音声で流れることで、犯人の異質さがより生々しく伝わってきました。
一気聴きとの相性はかなり良いです。
正直、微妙だと感じた点
この作品は、かなり人を選びます。
グロテスクな描写は、正直えげつないです。
音声になることで想像力が刺激され、読むよりキツく感じる人もいると思います。
また、中盤以降の混乱する場面では、「今、誰がどうなっているのか」を把握するために、
何度か巻き戻す可能性もあり。
ミステリ慣れしている人だと、一部の仕掛けに途中で気づく可能性もあります。
読むのとAudible、どっちが向いている?
個人的な結論です。
- グロ描写が苦手な人
- 場面を整理しながら読みたい人
- 想像力が強すぎる自覚がある人
こういう方は、紙やKindleの方が安心かもしれません。
一方で、
- スピード感を重視したい
- 恐怖や緊張感を体験したい
- どんでん返しに一気に振り回されたい
という人には、Audibleはかなり向いています。
私は状況が次々に変わっていく様が面白くてあっという間に聞き終わってしまいました。
全体的な作品の感想・まとめ
『連続殺人鬼カエル男』は、ただ刺激的なだけのサスペンスではありません。
猟奇的な事件の裏に、「裁かれない悪」「正義の不完全さ」という重たいテーマがしっかり埋め込まれています。
登場人物たちの複雑な過去、犯人に辿り着いたと思ったら辿り着けていない、最後の最後には「そこに繋がっていくのか…」と妙にスッキリする感覚。
とても見事だと感じました。
Audible版では登場人物たちの不安定さと狂気が、声を通してダイレクトに伝わってきたのがとてもよかったです。
覚悟は必要ですが、ハマる人には忘れられない体験になります。
読むかAudibleかで迷っているなら、「怖さをどこまで体感したいか」そこを基準に選ぶと後悔は少ないと思います。
👉オーディブル版「連続殺人鬼カエル男」はコチラから聴けます。



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